メガネは「ファッション」である前に「視力矯正器具」ですから、壊れてしまった場合には単に「掛けられない」だけでなく、直すか新調するまでは「視界が悪いまま」ということが問題になります。
今の時代は保証の手厚いメガネ屋さんも多く、自損で壊した場合であっても、一部有料などで交換といったフォローがある場合もあります。
しかし基本的には「自分で壊した場合は有償」です。
- 元々の不良が原因である「通常の使用の破損」の場合には期間内の交換対応が多い
- 自損の場合は当然のことながら有償交換
- ただし一部有料での交換や、子供向けに短期無料の交換を用意する店舗はある
もくじ
通常の使用ってなんだろう?
あまり意識されていないかもしれませんが、お店で商品を購入する時には、取引をしたその時点で「売買契約」が成立しています。
小売店(メガネ店も小売業に含みます)では、多くはお金を払い現品と交換をすることで契約のやりとり自体はそこでおしまいとなる為、あまり意識はされませんが、これも立派な売買契約です。
その契約時には、皆さんあまり読まれないかとは思いますが、何がしかの説明書ないし保証書が付いてくると思います。
それら書面内にて、必ず「普通の使い方の定義」をした上で、そのような使い方をしていたにも関わらず破損した場合については保証しますよ、ということが明言されています。
よく書かれている内容を挙げておきます。
ていねいに扱う
・片手で掛け外しを行う
・レンズを下に向けて置く
・ポケットやカバンに直接入れる
・オデコに乗せる
・水洗いもせずガシガシと拭く
・なんなら服のすそとかでレンズ拭く
・クリーニングしない
全部「雑」です。
保管場所に気を付ける
原則メガネはメガネケースにしまいます。
しかし人間はどうしてもズボラをやっちゃう生き物ですから、マジメな人でもテーブルの上、ヘッドボード棚、洗面台などに、ついつい一時的に置いとく……ということはやってしまうと思います。もちろん絶対にするなとは言いません、上手に楽をすることは大切です。
しかし、テーブルに置いていたけど落として踏んでしまった、ソファに置いちゃってお尻で踏んだといったミスによる破損は後を絶ちません。中にはネコに落とされたという人もいます。
熱い所に置かない・熱い場所で使わない
・サウナやお風呂
・ドライヤー
・調理
・夏場の車の中に放置
ガラスレンズは熱に強い為あまり気にする必要はありませんが、現在主流のプラスチックレンズの耐熱温度は60度程度。部分的に60度を超える場面は意外とありますので重々気を付けましょう。
昨今の夏は非常に暑いですから、場合によっては部屋や空間そのものがそれに近い温度になる場面もあるかもしれません。
メガネが熱にやられると、レンズ表面コートの破損(クラック)、変形などが起こります。パッと見では何も思わなくても、少し反射させて表面のコートを見てみると、モザモザとした傷のようなものが付いていることに気付けたりします。そしてそれは元には戻せません。
スポーツの時に使わない
原則、普通のファッションメガネは運動には向きません。
しかし、軽いランニングや、激しくない体育の授業などではそのまま使われることが比較的多いです。
特に子供の場合は原則、体育用のスポーツメガネを別途用意されるか、軽度の場合には外される方がよいです。
(球技などになると見づらくて本人が辛いと思いますから、基本別途用意される方がいいでしょうね)
当たり前だけど落としたら壊れるし、踏んでもぶつかっても壊れる
メガネは顔に乗せてあちこちに行き、要らない時は手で触って外され畳まれ、そしてまた広げて顔に乗せられるアイテムです。
人と一緒に寄り添っていく分、頭部が受けるダメージはそのままモロに受けてしまいます。ぶつければなにがしかの事故に発展しますし、G-shockのような強度もありませんから踏めば曲がって折れて壊れます。
人間が事故を起こすことは仕方のないことです、ヒューマンエラーを完全になくすことはできません。
ですがそのエラーのフォローは、原則メガネ屋さん側ではできないのです。車のディーラーが事故の補償をしてくれることがないように、その責任は販売側にはないのです。(ただし商品に瑕疵があった場合を除く)
有償でいいから直したい……
無償での保証対象外の状況の場合、もちろんお金を出せば壊れたメガネの修理やパーツ・フレーム全体・レンズの交換などの対応はしてもらえます。
しかし「どう頑張っても直せない状態」もありますから、とりあえずはお店に持って行って相談してみましょう。
追加料金を払うことで手厚い保証に変えてくれる所もある
チェーン店だと「メガネスーパー」さんや「メガネの三城」さん、あるいはもう少し高級路線の小規模チェーン店などでは、更に追加料金を支払うことでより手厚い保証が受けられるお店があります。
年間3,000円~程度の追加支払いにて、数年の間は無料・一部負担金のみ(金額はお店による)で修理・交換などが可能です。
これは保証ではなく完全に保険的な側面のものですが、メリットの有無については人それぞれでしょう。一回でも修理が必要になる人はトントンか少しお得くらいの内容が多いと思いますし、期間中に複数回の修理が必要になる人にはプラスと言えます。
逆に言えば、丁寧に扱える人にとって手厚い保証というのは無用の長物とも言えます。携帯電話の月額故障サポートなども同じ類ですね。
メガネビギナーさんは、まずはともあれ安価なメガネで良いですから使ってみて、自分がどの程度キレイに丁寧に使える人間かを見極めてから保証について検討されると良いと思いますよ。
よくあるトラブル集
以上を踏まえて、販売店舗ではよく見かけるお客さんの例を挙げておきます。
お店側にとっては「あるある」、お客さん側にとっては「そんなこと言う人いるんだ~」という話のタネ程度にどうぞ。
・買ってすぐ壊れたから交換して
眼に見えて明らかな物理的ダメージによる破損にも関わらず、すぐ壊れた不良品だ!と主張されるお客さんはどこの店舗でも見られます。
中にはお子さん相手だと親切に交換される店舗さんもあるかもしれませんが……
・お前のとこのメガネは不良品や!と3年ほど前に買ったという壊れたメガネを持ってくる
少なくとも3年使えてたから不良品ちゃうやん……