メガネ屋さんに行けば、沢山の種類のメガネが並んでいます。
そもそもなぜあれほどの数のメガネフレームがお店に並んでいるのか、それはやはり幅広いニーズに応える為です。
もくじ
デザイン
デザインなんかなんでも良いと言うのなら、ひとつのデザインだけであとはサイズ展開をすれば済む話です。
まず第一に「ファッションとして重要」だから、たくさんの色々なデザインのフレームが用意されているのです。
掛け心地
もうひとつは「掛けやすさ」です。
「金属のフレーム」ひとつ取っても素材は様々で、軽くてしなやかで、丈夫な素材ほど金額が上がる傾向にあり、また相応に掛け心地が良くなっていきます。
プラスチックフレームにも色々あり、昔ながらの定番「アセテート(アセチ)」や「ウルテム」「TR-90」などで、それぞれ特性と値段が違います。
サイズ展開
そして何より「サイズ」です。
といっても、メガネフレームはひとつのデザインでそこまで細かく展開されることは少なく、同じデザインではせいぜい2サイズ展開程度。多くはワンサイズ展開です。
価格帯
フレームの品質やデザインによって値段は違い、またメガネ屋さんそれぞれで価格設定が違う為、同じフレームでも別のメガネ屋さんでは値段が違ったりもします。
フレームの品質は、素材そのものと、製造過程の工程数(綿密さ)によって変わってきます。
デザインにおいては、ブランドフレームの方がクオリティが高い反面、デザイン料の差分だけフレームのクオリティは下がる傾向にはあります。
まず何を見るべきか?
例えお店の人に「この素材はとても良いものですよ」「人気のデザインでオススメですよ」「これがお似合いだと思いますよ」と言われても、それは絶対に掛けたくない!と思うデザインだって存在すると思います。
なのでまずは、自分好みの雰囲気のコーナーを探しましょう。
大抵のメガネ屋さんでは、デザイン分類、素材分類などである程度コーナーが分けられていますので、いいなと思ったフレームの付近に似た感じのものが置いてあることが多いです。
なんとなくこれがいいなあという方向が見えてきたら、次はサイズについてをよく観察します。
サイズの見方
メガネはデザイン選びも大切ですが、何より「サイズ」が大切です。
メガネと顔の横幅がほぼ同じになっているか
掛けてみた時に、メガネ全体の横幅と、自分自身の顔の横幅が、ほぼ同じであれば問題ありません。
これは見た目上の問題でもあり、もちろんサイズ上の問題でもあります。
テンプル(つる)の長さに余裕があるか
掛けた時にテンプルの先が耳の後ろまで届いているか?を見ます。
耳後ろに3cm程度、せめて2cmくらいは欲しい所です。ここが短か過ぎると、掛けた時のホールド感が確保できません。
鼻当ての幅が広過ぎないか
鼻パッドタイプなら位置の調整ができますからまず問題ありません。
鼻盛り(鼻当て)タイプは、完全に固定ですから鼻の形状によっては広過ぎて合わない(上の方で止まらない)場合があります。特に海外ブランドフレームの場合には注意が必要です。
鼻パッドタイプで初期のクリングス(金属の付け根)が長めの場合、顔から離れ過ぎて浮いているような状態になり、見た目に違和感ある場合もあります。そのような時にはフィッティングで顔に近づけることで解消されることがあります。
メガネを掛けた時の眼の位置
実際に店頭でメガネを掛けると、調整されていないフレームでは乗せる位置に悩んでしまいます。
掛けた時の黒目の位置が、レンズ縦幅の真ん中よりもほんの少し上あたりに来るのが一番正しく、キレイに見えます。
若い人は伊達メガネも鼻メガネで掛けたりされてますが…
似合う似合わないはこのメガネの高さにも左右されますから、掛けたらまずは眼の位置に注意して位置を調整して鏡を覗いてみて下さい。
試したフレームの掛け心地がよくない?
幅も問題ない、テンプルの長さも十分、なのになんだか気持ちが悪い。
そういう場合には、
(1)鼻パッドの角度がチグハグ 又は 合っていない
(2)鼻当てが自分の鼻の形に合っていない
(3)テンプルの幅が狭くなってしまっている が考えられます。
(1)鼻パッドはフィッティングで整えて貰えますから大抵は問題ありません。
(2)鼻当ての形状は変えられないので、違うフレームにするか、あるいは有料ですが購入後高さのある鼻当てなどに作り替えてもらうことはできます。他にはシールタイプの鼻盛りもあります。
(3)最近のフレームは店頭に並べた時にキレイに見えるよう、先の方に向かって少しハの字に狭まったような状態で出荷されることがあります。
また店頭に置いていると、時間経過でどうしても収縮が起こり狭くなってしまうこともあります。
これも同じくフィッティングで直りますので大抵は問題ありません。
やっぱり何を選んだらいいのかわからない……
サイズについてはわかった、でもやっぱり何を見ていいかわからない!という人はまず、次の「ふたつの方向性」から考えてみましょう。
ビジネスっぽくキリっとした印象にしたい
この場合はある程度角のある「メタルフレーム」一択だと私は思っています。
スーツにはメタルフレームがとてもよく似合います。
メタルフレームにも様々あり、サイドがゴツいデザインになるほど「ちょっとヤンチャ感」が出ます。
サイドがゴツいデザインも様々です
ナイロールと言われるレンズの上または下のフレーム(リム)が無いデザインになると、更にスッキリさわやかな印象になります。
同じメタルでも塗装の色で随分と印象が変わります。金と銀では、金色塗装の方が随分とゴージャスで重厚感ある雰囲気になります。(若い人にはちょっと難しい色ですね…)
メタルフレームでも、ジョン・レノンが愛用していたような丸メガネ(ラウンド)になると、メタルでもとてもカジュアルな印象にもなります。
最近は若い女性がメタルラウンドの伊達メガネをファッションとして掛けていたりもします。
メタルフレームの方が線が細く見えるので、どちらかというと全体的にすっきりとした印象になりますね。
カジュアルなオシャレ感を出したい
お若い方、休日用、私服用には、どちらかというとプラスチックフレーム(セルフレーム)の方が似合います。
もちろんおしゃれでカジュアルなメタルフレームも沢山ありますが、どちらかというとセルフレームの方がよりカジュアル度合いが高く、若々しい雰囲気になることが多いです。
もちろんスーツにもセルフレームは合わせられます。
一昔前だと黒縁のセルフレームが流行しましたが、今は縦幅(高さ)の短い黒縁フレームは昔ほどは見掛けませんし、縦幅が短く重めのデザインになるとやや古臭い印象を持たれます。
テンプルやリムそのものが太くなればなるほど、メガネの印象が強くなりメガネとしての個性が出ます。
芸人の宮川大輔さんはそこを狙ってあえて個性を前面に出していらっしゃいますね。(個性を狙う為彼のメガネは反射防止にいつもレンズが入っていません)
サイドが太めのものはメガネの存在感がとても強く個性が出ます
傾向としては昔よりも少し縦幅が長めのスクエアや、ボストン・ウェリントン・ラウンドのような丸みあるフレームの方が人気のようです。またリムやテンプル、智(よろい)自体があまり太くなく見た目が重くないタイプが増えてきているように感じます。
ボストンやラウンドのように角が丸いフレームの方が柔らかい印象に
メタルフレームとセルフレームの大きな違い
決定的な違いは「見た目」ですが、それ以外の大きな違いとして、
・セルフレームの方が厚みが目立たない
ということが挙げられます。
これは単純に「リムに厚みがあるのでレンズが隠れる為」です。
厚みを気にされるならば、どちらかというとセルフレームを選ばれる方が横から見た時のレンズのでっぱりが隠れるので、わかりにくいということですね。
厚い人は絶対にメタルフレームではダメということではなく、バランスの問題ですから、見た目が気になる人はお店の人に厚みについてを相談されるといいでしょう。
選択できないタイプ
メガネにはデザイン上色々なタイプがありますが、どうしてもそれでは作れないという組み合わせや、その人にはオススメできないという形状が存在します。
リムのないメガネ
一部でもリムのないフレームは、物の扱いが雑な人には向きません。前のフレームの扱いや、店頭でのメガネの掛け方などを見られてやんわりと断られることもありますので、色々察しましょう。
(例えば…使っているメガネが、古いだけでは説明ができないほどキズだらけの人、メガネをポケットに直接しまっている人、メガネを頭に乗せている人など)
ツーポイント
リム(フレームのレンズ周囲)がなく、レンズがむき出しの状態で、更にレンズに穴を開けて留めるタイプのフレームのことです。
その分顔周りがすっきりした見た目になること、そしてリムが視界に入らないことから根強いファンがいます。
店頭での当日加工で作ってくれるメガネ屋さんと、加工専門部署に出す為日数が掛かるメガネ屋さんとがあります。
外周すべてにリムが無いので強くぶつけるとレンズが欠けてしまったり、穴を開けた部分には特に負荷が掛かる為、フルリムフレームと比べると格段に耐久性が下がります。
また、レンズに穴を開けるという特殊な構造のフレームの為、穴開けの工程と開けた後の穴への負荷の問題から、高屈折率レンズでの加工はできません。具体的には1.70屈折率を超えるレンズでは注意が必要です。
逆に低屈折率レンズ(1.50~1.55)でも柔らか過ぎて断られる場合もあります。
(高屈折率レンズになればなるほど、素材自体が硬くなってしまい加工が難しくなっていくこと、使用上とても欠けやすくなることから、店頭ではまず断られますが、どうしてもと頼めばやってもらえるケースも一応ありますがオススメしません)
ネジタイプではなく樹脂パッキンタイプでは、強いマイナス度数(近視)レンズだと、端が厚くなり過ぎてそもそも製作ができないという場合もあります。
プラスレンズ(遠視・老眼鏡)の場合はレンズ端が薄くなる為、マイナスレンズと比べて耐久性が低く、比較的不向きになります(端の厚みを調整すれば作ることはできます)。
ナイロール
一部リムのないフレームを指します。その他、ハーフリム、上側がないものをアンダーリムと言ったりします。
レンズ外周に細い溝を掘り、ナイロンテグスを渡して留めることから、ナイロールと呼ばれます。
ツーポイントと同じく、高屈折率レンズはあまり勧められません。
低屈折率(1.50~1.55)でも断られる場合もあります(絶対にできないということではありません)
プラスレンズ(遠視・老眼鏡)の場合はレンズ端が薄くなる為、マイナスレンズと比べて耐久性が低く、こちらも比較的不向きになります(端の厚みを調整すれば作ることはできます)
近視の人のメガネ選び
近視用マイナスレンズの場合、外周部に行けば行くほどレンズは厚くなります。つまりフレームのレンズ幅が広ければ広い程、より端の厚みが出てしまうのです。
フレームの幅によって端の厚みが変わってくる
強度近視の人がレンズ端の厚みを気にされる場合には、レンズの幅ができるだけ狭いデザインのものにすると厚みが抑えられます。
昨今の流行から「大きなレンズ径のフレーム」を選ばれる強度の人もいますが、厚みの問題と共に「重量も増える」為、ズレやすくなる可能性も考えなければいけません。
一部のお店では「強度近視用メガネ」「ウスカルメガネ」という名称で、レンズ径を小さめにしてブリッジや智で幅を取っているフレームを扱っていることもあります。
もちろん「重いのは平気」「ズレないようにしっかり調整する」であれば、後は掛けやすさへどれだけ妥協できるかという程度の問題ですから、強度の人が大きなレンズ径のフレームを選んではいけないということではありません。
好みと掛けやすさとの妥協点はよく考えたいですね。
遠視の人・老眼鏡の人のメガネ選び
プラスレンズの場合、その特性上、丸レンズの径がマイナスレンズよりも小さい仕様であることが多く、大きいレンズ幅のフレームになると、根本的な問題としてレンズの径が足りなくなる場合があります(レンズ枠に隙間ができてしまう)。
その場合少し小さい幅のフレームを選ぶか、レンズの中心間の距離が少し遠いことで妥協するしかありません。
逆に小さいレンズ幅のフレームになればなるほど、レンズ厚の余分ができてしまいます。多くのメガネ屋さんでは有料で日数も必要ですが「プラスメッツ加工」をすることで余分を削って薄くすることができますので、遠視の方・老眼鏡の方はそちらをオススメします。
プラスメッツ加工(無料~4,000円程度が多い)
掛け心地はお金で買うもの
低価格のメガネフレームと、数万円のメガネフレームでは、一体何が違うのか?
ブランドフレームを除けば、丈夫さと掛け心地が違います。
掛け心地の良いフレームを掛け慣れると、掛け心地の悪いフレームを掛けられなくなるとよく言われます。
何を重視するかは人それぞれ。
お手頃のメガネで長く使える人もいれば、高いフレームでもすぐに壊してしまう、失くしてしまう人もいます。